ビジネス書:実力派たちの成長戦略 30代・40代は「ビジョナリー・プロフェッショナル」となれ!
ビジネス書:実力派たちの成長戦略 30代・40代は「ビジョナリー・プロフェッショナル」となれ!
今の仕事を頑張ってやり遂げるだけではダメ!ビジョンを持ちなさい!長期的な未来を見据えた仕事をしなさい!残業は減らしなさい!
そんな難しい課題にヒントをくれる一冊です。
裏表紙のこの1文が刺さった人におすすめ
会社からの過大な要求、
疲弊していくメンバー、
成長できない自分・・・。
大変動の時代を生きる
プレイングマネージャーたちに贈る
新しい働き方の指針。
目次
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どんなひとにおすすめ?
- 実務では成果が出せて評価されているけど、「ビジョンを持ちなさい」「視座を高く・視野を広くしなさい」と言われるひと
- 自分のビジョンをどうやって作ればいいか悩んでいるひと
- そんなことをいわれても、時間がないひと
書籍紹介
第1章 Change or Die 変わるか死ぬかの時代
自分は、「思考習慣病」になっていないか?変化し続け、すばやい適用ができなければ生き残れない。
- 2000年以降は大変動の時代。それを経験し続ける30代、40代。
- 思考習慣病にかかって、変化できない人間になっていないか
- 思考停止(正常性バイアス)に陥っていないか
- Change or Die(変わるか死ぬか)
- 変動性(ボラティリティ)の高い時代は続く
- ノベーションなき企業は滅びる
- 変化し続け、すばやい適用ができなければ生き残れない
第2章 ミドル再生計画
陥りやすい思考習慣病の症状診断と処方箋。「現実認知拒否症」「後追い適応症」「原因他人批判症」「方法論依存症」「プロ意識過剰症」
ビジョナリー・プロフェッショナルとは何か?どうやって目指すのか?
- 思考習慣病:思考停止、正常性バイアス
- 「なんとかなるさ」と思ったら、「本当にそうか?」と問いかけ、ワーストシナリオを悲観的に考える(GMやJALも経営危機に陥っている)
- 「晴朗雨独」:自分の中に楽観的な「天使の自分」と、悲観的な「悪魔の自分」の2面性を持つ
- 現実認知拒否症:危機意識はあるものの、意識的に思考しないように思考を封印している
- 会社に頑張ってもらって、ぶら下がるしかないと考えて、無難に仕事をこなしてしまう
- 後追い適応症:与えられた仕事には必死に取り組むが、仕事の前提条件が目まぐるしく変化することに対応できない。
- 予定調和の罠:この仕事を精いっぱいやっていれば成功につながると考えてしまう
- 先手を取って自分から、自分の会社の未来、自分の仕事の未来、自分自身の未来の「ビジョン、あるべき姿」を考えて行動 → ビジョナリー・プロフェッショナルになるしかない
- 原因他人批判症:「上司が悪い」「会社が悪い」「経営者が悪い」という思考に陥る
- 方法論依存症:自責の認識はあるが、仕事術や自己啓発書に頼りすぎてしまい、自分が抱えている根本的な問題に対応できない。
- プロ意識過剰症:自分の仕事の分野にプロ意識があり、誇りも実績もある。ビジョンも語れる。しかし、仕事の領分を越えた、広い視野、高い視座での絵姿を語れない
目指せ「ビジョナリー・プロフェッショナル」
* 平時のリーダの役割はマネジメント・リーダー
* あるべき姿、ビジョン「What」にどうやって到達するか「How」をつかさどる
* 有事のリーダの役割は、ビジョナリー・リーダー
* あるべき姿、ビジョンを構想し、現実とのギャップを埋めるための戦略立案を行う
* 自ら事業ビジョン、企業ビジョンを提言せよ
* ビジョナリー・プロフェッショナル:ビジョンを考え描き、実現していくプロ
第3章 「あるべき姿、ビジョン」を構想する
日本の30代、40代がいまやるべきこと。既存の経営戦略論は大衆化され、習得しただけでは差別化できない。「ビジョナリー・プロフェッショナル=実力派創造者」を目指そう。
既存の経営戦略論の限界
- ビジョンを与件として、課題解決するには有効だが、ビジョンの構想はできない
- 「知」は大衆化され、既存の経営戦略論はコモディティ化している
- 大衆化するものは超効率的に学び、イノベーションのネタがありそうな分野に投資する
- 「まだ人気のないもの×好きなこと」で差別化を
「ビジョナリー・プロフェッショナル=実力派創造者」を目指す
- あるべき姿、ビジョンを考える力を持ち、必要条件として嗜んでおくべき大衆化した知を知り抜いている人
- 縦軸の強さが、「発想力豊かな」につながり、横軸の強さが「実力派」という言葉につながる
ビジョンとは
- 目で見てわかる事業イメージ
- 経営ビジョンとは、経営理念が哲学的な概念であるとすれば、経営ビジョンは企業の目指す姿・形の”Visible(目に見える)”なイメージであるといえる (グロービス・マネジメント・スクール)
- ビジョンとは、「お客様に対する価値提案」であり、優れたビジョンの特徴として「望む結果をはっきりとした形にし、覚えやすい言葉で表現している」、「想像力を刺激し、意欲を高め、目標をイメージするのに役立つ」 (CISCO)
- ビジョンは頂「10年後にはこうなるだろう、30年後にはこうなるだろうと、明確な期限。その時のイメージを徹底的に思い描く。その山に登って、登った山から下界を見下ろしたようにしっかりと未来から見下ろしてみる。そういうイメージ」(ソフトバンク 孫正義)
何のためにビジョンが必要か
- 「未来を創造する」ため:未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ
- 人をやる気にさせるため、発奮させるため
- 「頭でわかる」:ネガティブ・エネルギーで尻押しする。「これをしなければ、未来がない」「いまのままではまずい」
- 「心でわかる」:ポジティブなエネルギーで引っ張る。ワクワク・ドキドキ感
- 限界を超えたレベルに自分と組織の力を引き出すため
ビジョンを考える。想像力を鍛える
- 基本的な考え方
- まだ人気のないもの×すきなこと、やりたいこと
- 考え方の枠組み
- 大局観×夢や志×差別化
- 行動原則
- 考える(Imagination 想像)×幅出しをする(Analogy 類推)×他人の頭を使う(Chemical Reaction 化学反応)
第4章 ビジョン構想力の鍛え方
「自分」と「他者」、「金」と「心」のバランスを考える
考える(Imagination 想像)×幅出しをする(Analogy 類推)×他人の頭を使う(Chemical Reaction 化学反応)の実践方法。
考える(その1)=Imaginationとレゾナンス思考法
- 第一段階:論理的思考法
- 言葉や数字で考える→議論を単純明快にしてくれる
- 論理的思考法の限界
- ①現実的でない回答:物質的な領域だけでは答えがでない、精神的な領域の考慮ができない
- ②おもしろくない回答:いままで考えてもみなかったアイデアが出てきづらい
- ③心で納得してもらえない、共感してもらえない:精神・感情という要素を遮断して考えるアプローチである
- 第二段階:全体思考法
- カリスマ経営者の思考法:全体を全体のまま観察し、直感で考える
- ①徹底した現場主義、現場を観察しようという強い意欲と行動
- ②常に全体を考える広角思考、多面的に考えるための好奇心の強さ
- ③社員へのコミュニケーションを可能にする強烈で際立った個性
- 全体思考法の欠点
- マスターできる人間が稀にしかいない。システマティックに育てる技法も確立していない
- 結論に至った理由を他人に説明できない
- 全体思考法のすごみ
- ①有能な人の手にかかれば、論理的思考法よりはるかに正しく現実的な回答がえられる
- ②創造的な回答が得られる
- ②他人と自分の心に訴える回答を導き出せる
- 全体思考法の鍛え方
- イメージで捉える:現場を部分ではなく全体で捉え、かつイメージで捉える努力をする
- イメージを脳内操作する:沈思黙考して頭でイメージを動かすことを当たり前にできるようにする
- イメージを頭に貯める:比較対照し、刺激を得るためにイメージのアーカイブを充実させる
- 足で稼いで、動いて、見るを大事にする
- カリスマ経営者の思考法:全体を全体のまま観察し、直感で考える
- 第三段階:レゾナンス思考法(共鳴思考法)
- 論理的思考法と全体思考法を融合する
- どちらかの思考法から思考をスタートさせて、もう一方の思考法へ振るというキャッチボールを繰り返す
- 両者のメリットを生かし、デメリットを相殺することを目指す
- 妥当な”納得解”(≠妥協解)を導く
- 論理的思考法と全体思考法を融合する
考える(その2)=Imaginationと大局観をつかむ思考法
- 予兆をつかむ
- 現在・過去のイメージから未来をみる
- 未来に起こることは、現在起きている「兆し」がある
- TPPで未来を観る
- T = for Technology(技術)
- P = for Politics and Policy(政治・政策)
- P = for Population(人口)
- 予兆の観察方法
- 体験
- 実態観察
- インタビュー・ヒアリング
- 想像
- カオスな現在の中に、予兆/兆しがある
- 予兆/兆しに洞察力を掛け合わせて、未来を予想する
- 大局観をつかむ
- 兆しから直観への変換回路(洞察力)を磨く
- 変化の前提:世の中は常に変化する
- 「良い会社」ではあら探し
- 「悪い会社」では極小の成功事例を探す
- 「隠れた資産」:活用不十分な周辺事業、活用されていない顧客情報、活用されていない企業能力 * 競争の前提:世の中は必ずフェアな正しい方向に向かう。最後はあるべき均衡点に向かう
- 循環の前提:世の中はサイクルを描いて循環運動する
- 非連続の前提:突然の大きなショックが経済を襲えば、非連続にジャンプすることがある。〇〇革命。
- 再現の前提:歴史はある切り口でみると繰り返している
幅出しする=Analogyとアウトプット志向学習法
- スペシャリストの視野狭窄症
- 自分の専門分野を掘り下げるだけでは視野が狭くなる
- 方法論依存症になってはいけない
- アウトプット志向学習法のすすめ
- アウトプット目的を絞ってインプットしないと、広く浅くなり資源拡散の罠にはまる
- 捨てる戦術:有限な資源を最も効果が上がるようにメリハリをつけて配分する。
- 強みを構築する
- 手段が目的化するのを防ぐ:インプットから入ると、手段自体が目的かしてしまうことがある
- 学習先送りの罠:アウトプットには必ず〆切があるが、インプットでは目標でしかない
他人の頭を使いこなす=Chemical Reaction(化学反応)とブレイン・ジャック
- 悩んだら誰かと話す
- 方法論依存症も防げる
- ケース・チーム・ミーティング
- お互いが課題をめぐって徹底的に議論する
- 上司・新人・クライアントと議論を
* 創造的ディスカッション10の掟
- ①仮説ファースト。自分の仮説を考えてからチーム・ディスカッションに挑む
- ②参加者は、職位、経験にかかわりなくフラットな文鎮型の組織でディスカッションするのだという運営原則を共有する
- ③チームの人数は4~6人
- ④あなたは、とにかくブレイン・ジャックをやりまくる
- ⑤参加者の中で一番権限の強いひとは、自分の意見を言うのを控える
- ⑥顧客の視点の議論を貫き通す(放っておくと、自社内部の議論に終始しがちになる)
- ⑦全員がフェアに議論に貢献する
- ⑧全員が経営トップだと思って発言する。自分の担当分野、担当業務の範囲を超えて議論する
- ⑨「できない」というのは美味しい言葉だと心得よ
- ⑩起こるのは論外、叱るのも避ける。明るく、前向きに議論する
第5章 100分で学ぶ経営戦略の基礎「5講」
- 第1講:経営戦略論
- 第2講:コーポレート・ストラテジー(企業戦略)
- 推薦図書: 『競争の戦略』M・E・ポーター著
- 第3講:マーケティング
- 推薦図書:『マーケティング原理ー戦略的行動の基本と実践』フィリップ・コトラー/ゲイリー・アームストロング著
- 第4講:インベストメント(投資理論)
- 第5講:ファイナンス(財務理論)
- 推薦図書:『コーポレート・ファイナンス 第六版』リチャード・ブリーリー/スチュワート・マイヤーズ著
第6章 時間不足と戦う
集中のために弛緩せよ。仕事ポートフォリオ・マネジメント「①捨てる仕事」「②ヘッジ仕事」「③刈り取り仕事」「④投資する仕事」の配分戦略を作る。時間管理十訓
- 仕事ポートフォリオ・マネジメント:捨てる仕事、ヘッジ仕事、刈り取り仕事、投資する仕事
- ①仕事力が低く、仕事の期待成果が低いものは捨てる
- ②期待成果は低いが、得意な仕事は「ヘッジ仕事」取り組むものの優先順位は2番目。点数を稼ぐ。最低限の貯めを作っておく
- ③得意で期待成果が高い仕事を次に優先する。「刈り取り仕事」優先の仕事として心血を注ぐ
- ④期待成果は高いが苦手な分野「投資する仕事」②③の余力を向ける
- ①~④をどう割り振るか(時間配分、捨てるもの)の戦略を練る
- 質のよい時間帯に、③④を割り振る
時間管理十訓
1. スケジュール帳は計画書。1日に数回は眺める
2. 常に2週間先まで視野に入れておく
a. 時間資源配分は、若干長い時間軸で考える
3. 作業工程の読みは想像力。活動をイメージする
4. 自分一人の時間でも来客・会議と同様にアポをとる
a. 孤独になれる時間を確保するための工夫
5. 完全に邪魔が入らないで、一人になれる場所を探す。
6. 原則として仕事をする時間を決める(8-19時など)。完全休養日を作る。
7. 考える前に材料を頭に放り込んでおく。寝る前が有効。
8. できれば昼食などのために外出しない。その分早く終わらせるほうが得。
9. 細切れの時間は黄金の時間。仕事は15分単位で切り刻める。
10. 集中と弛緩のバランスを重視。集中して疲れたら弛緩する。
第7章 ミドルのための心のマネジメント
- 心のマネジメント4つの段階
- 第一段階:「欲」をエネルギー猪突猛進
- 良い成果物:論理系ビジネススキルなどのスキル習得、自己主張能力
- 悪い成果物:自我の暴走、他者との衝突、ネガティブ思考、ディフェンシブな仕事姿勢
- 第二段階:「欲」プラス「他者の感情のマネジメント」の実践
- 感情系のスキル習得で、他者の感情マネジメントを図る
- テクニックで他人を弄んでいるような印象になりがち
- 第三段階:「無欲」への挑戦
- 「欲」をエンジンにしたマネジメントを基本にしながら、時と場合に応じて「無欲」を思い出すアプローチ
- 足して2で割る解決策で、自己矛盾が生じやすい
- 第四段階:「欲」と「無欲」を併せのむ
- 最後に「利他」にたどり着く
- 「利他」が欲の向くところであり、自己に対しては無欲な状態
- 第一段階:「欲」をエネルギー猪突猛進
終章 超一流の人生を目指せ。そして、いますぐに行動せよ!
- 「一生、超一流を目指し続けてほしい」 「良い39代、40代の過ごし方」→「こういうことをミドル時代にやっておくと、あとが楽しいぞ」という実体験で紹介
新書300ページの中にびっしりメッセージと指針が詰まっています。是非一度読んでみてください。